パソコンは、現在、自分自身で組み立てたり、メーカー製のものでもハードディスクの交換やメモリーの
増設等ができるなど、私たちに大変身近で扱いやすいものになってきています。しかし、ノートパソコンや一部の
メーカー製のパソコンでは、交換や増設が不可能であったり、複雑な構造ゆえ素人では難しいのが現状です。
ハードディスクやメモリーの交換や増設を業者や専門家に依頼する場合、部品代金や作業料を合計すると
50,000円前後の高い金額を請求されたという話を耳にします。一方、最近よく目にする通販専門の新製品の
パソコンは60,000円前後で手軽に入手できるため、高額の出費を伴う修理はためらいがちにならざるを得ません。
通販の新製品は、機能やソフトも最新に近いものがついており、なかなか魅力的ですが、発売当初は高額な
出費をし、何年も使っていて愛着のあるパソコンをなかなか手放すわけにもいきません。近年、ハードディスクや
メモリーなどは以前に比べ安価に手に入るようになってきています。できることなら、かかる経費をできるだけ抑えるために、
自分で部品を調達して、業者や専門家に取り付けや修理を依頼せずに、自分で取り付けることで、新しく生まれかわった
パソコンを末永く使用したいものです。
そこで、本サイトでは、わたしたち素人でもできる交換方法について説明します。
改訂 2007年09月13日
開設 2007年08月24日(平成19年)
楽天市場で最安値のHDをさがす!
修理よりも、買い替えという方は、Panasonic 公式サイト「My Let's 倶楽部」へ!
また、修理をお考え中の方でも、現在、パナソニックがPCリフレッシュサービスを実施中(2007年8月31日受付終了)で、
@キーボード交換
Aトップケース(パームレスト)交換
Bディスクカバー交換(Y/Wのみ)
Cウイルスチェック
Dバッテリーチェック
Eハードディスクチェック
FACアダプターチェック
G一般動作確認
H清掃
以上9項目がすべて無料で、大変お得です。さらに、PCリフレッシュを行った方を対象に
特別価格にてバッテリーが入手可能です。(バッテリーの申し込みは2007年12月31日まで)
R1・R2/T1・T2 10,000円(税込)
R3/W2/Y2 12,500円(税込)
受付期間は2007年8月31日まで(終了)
パナソニック PCリフレッシュサービス
ここに記載してある内容については、あくまでも本サイト管理者個人で考案したものであり、パソコン
メーカーやHDメーカーによる技術指導や指示を得たものではありません。
したがいまして、本サイト掲載内容に従い、または、参考にし、作業されたこと等により、所有のパソコン
ならびにハードディスク(ハードディスク内のソフトも含む)等に生じた不具合や故障等の損害や、作業や使用による身体への傷害等について、
サイト管理者は一切補償および賠償はいたしません。あくまでも、自己責任において作業を行っていただきますようお願いします。
なお、製品等に備えられた説明書、注意書き等があれば、それにしたがって作業を進めるようお願いします。
また、繊細な精密機器のため取り扱いには十分に注意してください。
また、自分で修理、交換した場合、交換した部分はもとより、交換が原因となる他の故障についても、
メーカー保障の対象外となりますので、あらかじめご了承願います。
少しでも、不安のある方は、自分で分解、交換されず、製造メーカーに修理や取換を依頼されることを強くお勧めいたします
@パソコン : Panasonic Let's note CF-T1 RWAXR
(ナショナル・パナソニック 松下電器産業[株])
Aハードディスク: Hitachi Global Storage Technologies HTS541212H9AT00
(2.5inchi 120GB 9.5mm 日立グローバルストレージテクノロジーズ)
Bキーボード : Panasonic N2AZZJ000021(CF-T2AC1AXS用??)
(パナソニックAVCネットワーク[株]システム事業グループ)
※注意:換装後にWindowsのインストールは、本サイトでは行いません。
※換装用HDはネットショップから入手。
※キーボードは、最寄のナショナル・パナソニック修理窓口かLet's noteが展示してある家電量販店等で取り寄せ可能です。
Panasonic Let's note CF-T1(Web カタログ)
Hitachi HTS541212H9AT00(概要)
松下電器産業 地区別修理ご相談窓口一覧
※たとえ条件(環境)が異なっても、応用が可能と思われますので、参考にしていただければ幸いです。
●●ハードディスクの選定●●
ハードディスクは、サイズ 1.0〜3.5(例)インチ、容量 20〜3000GB(例)をはじめ、さまざまな規格があります。
パソコンによっては、ある一定の容量(GB)を超えるハードディスクを認識せず、使用できないなど、
用途やパソコンの仕様によって、適切な製品を選択し使用しなくてはなりません。
そのため、自分のパソコンの仕様や換装するハードディスクの仕様を理解・把握しておかなくては
なりません。
はじめに、パソコンがどの容量のハードディスクを認識できるかを把握します。
●HDの容量(GB)の認識の制限、限界●
ハードディスクの容量の認識の制限は、大きく分けて、3の要素が作用して発生しています。
@HD のソフト
ABIOS のソフト
BOS のソフト
以下の表でソフトの性能を割り当てていくと、ご使用のパソコンの容量制限が分かります。
容量制限はこの他にありますが、ここでは、主な例を掲載しました。
なお、表の内容だけで限界を判断せず、改めて各自で確認願います。
※この表はPDFで作成しています。ご覧になりたい方は、表をマウスボタンでクリックしてください。
参考
制限についての全般的なこと
ひびきつくねの「ハードディスクのお約束」(計算式を使って説明)
tadachi-net.com(容量別に説明)
Maxtor WHITE PAPER(グラフ等を使って説明)
ATAの性能(時系列列で説明)Wikipedia)
INT13とファイルシステムの関係(ITAYA)
ファイルシステムとOSの関係(NTFS.com)
用語
ATA(Advanced Technology Attachment)ウィキペディア(Wikipedia) ATA
FAT(FAT(File Allocation Table)ウィキペディア(Wikipedia) FAT
NTFS(NT File System)ウィキペディア(Wikipedia) NTFS
ファイルシステムウィキペディア(Wikipedia) ファイルシステム
INT13(Interrupt 13)Wikipedia INT13
●制限、限界の解除●
上記のような限界を解除する方法は、様々なサイトで紹介されていますが、ここでは、解除をする必要のない条件で作業を行いますので、
解除を行うにあたって、参考となるサイトやソフトを紹介するに止めることにいたします。
判定
ちょっと昔のパソコンの場合で、8.4GB以上使用する場合
I・O DATA HDD使用判定プログラム
ATAPIドライバのバージョンが5.1.2600.1135又は5.1.2600.1152以降かどうかを確認
WindowsXPで160GBのハードディスクを認識しないの?(パソコン温泉内)
HD設定
日立・IBM HD(Hitachi Global Storage Technologies)
BIOSに起因する制限の解除(8GB、32GB、128GB)
HGST Feature Tool(Device Capacity)
Western Digital Dynamic Drive Overlay (DDO)
Data Lifeguard Tools 11.2.for DOS(CD)内 DDO
Data Lifeguard Tools 11.2.for DOS(FD)内 DDO
EZ-BIOSを配布しない旨の説明
OS設定
Windows95/98/98SEのFDISKコマンドで64GBを超えるHDを使用する場合
Microsoft FDISK で64GB以上の認識
Windows98/Meで、128GB以上使用する場合
Microsoft FDISK.EXE 128GBを超えるHDパーテーション
Windows 2000 で、137GB以上使用する場合
Microsoft Windows 2000 48ビット理論ブロックアドレス サポートについて
Windows XP で、137GB以上使用する場合
Microsoft Windows XP 48ビット理論ブロックアドレス サポートについて
●ハードディスク 仕様の把握●
パソコンに備わったマニュアルや、ハードディスクに貼ってあるラベル、ハードディスクを製造した企業のホームページ等から情報を入手し、確認します。
★実装ハードディスクの把握
まず、パソコンを購入当初実装されていたハードディスクの仕様を把握します。
Toshiba MK4020GLS
(2.5inchi 9.5mm 40GB DC+5V 0.7A & 3.3V 0.5A 4,200RPM ATA-5 東芝)
TOSHIBA STORAGE DEVICE DIVISION MK4020GLS (仕様書)
※なお、東芝HDの仕様書については、東芝より一般向けに公開されていないので、OEM会社(?)のMTC(Micro Technology Concept)
社公開の当該仕様を参考にしました。このハードディスクはパナソニック用に特別に作られたもので、仕様書の内容と、CF-T1に実装されているハードディスクの
品番(HDD2177→仕様書ではHDD2178)やピン、電圧が若干異なりますので、ご注意願います。
他人から譲り受け説明書がない場合や、メーカーが資料を提供していないなど、詳細が分からない場合は、ハードディスク本体の
ラベルの数字やパソコンの製造年等から、下記の表を使って推測することもできます。(クリックで拡大表示)
48bitLBAが採用されているかどうかの判断は、規格がATA/ATAPI-6かどうかということになりそうです。それ以外は、大体28bitLBAだと
考えられそうです。ATA-5と仕様に記載のある東芝HDは残念ながら28bitLBAのようです。
なお、この表はあくまでも参考にとどめておいてください。最終的には各自で規格を判断願います。
★換装ハードディスクの把握
次に、換装用のハードディスクについて日立製品を例に仕様を説明します。今回準備したのは、
Hitachi Global Storage Technologies HTS541212H9AT00(2.5inchi 120GB 9.5mm ATA-7)
日立グローバルストレージテクノロジーズ)です。以下、品番について読み方を説明します
HTS541212H9AT00
H: Hitachi
T: Travelstar(ノート用) *1
S: Standard(標準仕様) *2
54: 5,400 RPM (回転速度)*3
12: 120GB (仕様の最大容量)
12: 120GB (製品の実装容量)
H9: 製造時期等 識別値 *4
AT: パラレルATA(コネクタ形式)*5
*1 Ultrastar, Deskstar(デスクトップ用), Travelstar(ノート用), Cinemastar(ビデオ用), Endurastarの5区分
*2 E=特別仕様, Standard=標準仕様の2区分
*3 3,600 4,200 5,400 7,200 10,000 15,000 の6区分 回転速度
*4 G, J, H, K等 Generation Code
*5 AT=パラレルATA, SA=シリアルATA の2区分
Hitachi HTS541212H9AT00 仕様書
HTS541212H9AT00 説明書(Hard Disk Drive Specification: 英文)(48bitLABについては62、84頁)
★両者の比較
実装のハードディスクと換装のハードディスクの仕様が把握できたところで、表にして両者を比較してみます。(クリックで拡大表示)
まず、基本的に、サイズや厚さが合っていることが必要です。これらが異なりますと、パソコン本体にハードディスクが収納できない場合があります。
容量は、パソコン使用者の個々の必要に応じて増やすことができますので、問題ありませんが、パソコンで使用出来るかが問題となりますが、
この容量については後ほど別項目で述べたいと思います。ただ、大容量のものが使用出来るパソコンをお持ちであれば、現在、ハードディスクは、
10GB当たり約1,000円前後で、価格に格差があまりないので多目のものを用意しておくのもよいかもしれません。電圧については、これが違っていれば
使用できないのですが、後述のように、大抵はハードディスクの一部に手を加えてやることで、電圧が異なっていても使用することができます。
転送モードは同じですが、ATAがそれぞれのメーカーで異なり、また、東芝のLBAが28bitに対して、日立は48bitですが、情報のやり取りの速度や量が
違ってきますが、ここで議論すべきは、新しく換装する日立のハードディスクが、パソコンに使用出来るかということなので、規格の相違は、
ここでは問題としません。回転速度は、実装のものより速くなると、データ処理速度があがるため、作業時間が短縮できることが考えられます。
しかし、その分消費電力が増え、バッテリーの持ち時間が短くなるなどの影響も考えられます。しかし、技術は日々向上しているため、換装により省電力化
する場合もあります。仕様書などに消費電力が記されていますので確認したうえで、各自で決定してください。もちろん、同じ速度のハードディスクに
する必要はありません。なお、ATAについては、パラレルATAとシリアルATAでコネクターの形式がまったく異なります。これが合わないとパソコンに接続
できず、使用できないのでもっとも注意が必要です。
以上両者を比較して見ましたが、新旧で情報の処理や転送速度は異なるものの、体勢に影響ないものと思われること、そして、基本的な構造が、
合致していることから、新しいハードディスクはパソコンに使用できそうであると結論付けました。
万が一、シリアルATAとパラレルATA(IDE)のハードディスクを間違って買った場合
シリアル→パラレル(IDE) パラレル(IDE)→シリアル 変換コネクターがあります。
パソコンによっては、HDが入るスペースに若干の余裕があることもありますので、変換コネクターで取り付けることができるかも知れません。
最後まであきらめてはいけません。
上海問屋 カテゴリ欄の「パソコンパーツ」「変換コネクター」で確認できます。
●パソコンのBIOS等の確認●
次に、BIOSの確認をします。DIMビューアー(Desktop Management Interface)等の名前で、パソコンに最初から内蔵されているソフトを利用します。
パナソニックのパソコンの場合、「スタート」→「マイコンピュータ」→「ローカルディスク(C)」→「Program File」→「Panasonic」→「DMI」と進みます。
「DIMVIEW(DMIビューアー)」を起動します。以下のような、画面が表示されたかと思います。すべての内容を一度に表示したい場合は、「ファイル」→
「すべてのデータを保存」し、内容を確認します。
次の項目を確認しておきます。
System Management BIOS
┠General Information
┃ ┠BIOS Information
┃ ┠Vnedor Phenix Technologies K.K.
┃ ┠BIOS Version V1.00L13
┃ ┠・・・・・
┃
┠・・・・・
┃
┠System Slots
┃ ┠Slot 1
┃ ┠Slot 2
┃ ┗Slot 3
┃ ┠Slot Type PCI
┃ ┠Slot Data Bus Width 32bit
┃ ┠・・・・・
┃ ┠Slot Charateristics Provides 5.0 Volts, Provides 3.3 Volts
BIOSはフェニックス社製でバージョンV1.00L13ということです。また、ハードディスクを繋ぐインターフェースは
(ミニ)PCI(Peripheral Component Interconnect)であり、バス幅 32bit、動作電圧が5V、3Vということです。
このパソコンのBIOS拡張INT13は、28bitLBAであることが信頼ある情報筋から確認されました。
拡張INT13が28bitか48bitかは、パソコンメーカーに直接問い合わせるのも一つの確認方法かと思われます。
なお、ソフトなどによるINT13等の確認方法は現段階ではわかりません。判明次第こちらに記載したいと思います。
バージョン等が確認できたら、BIOSの提供会社やパソコンのメーカーサイトなどで、大容量のHDを使用するためのBIOSのバージョンアップ情報が
あるかもしれませんので確認しておきます(自作パソコンは可能性大)。必要に応じて、インストールしておきます。
Panasonic パソコンサポート ダウンロードサイト
Phenix Technologies(フェニックス)
PCI(Wikipedia)
DIMビューアがパソコンになかった場合や表示された内容では不十分な場合は、パソコンを再起動し、電源が入ったらすぐにキーボード「F2」を押し、
BIOS画面を出し、必要な情報を確認します。
参考
BIOS等の確認ソフト
Fresh Diagnose 7.66
●パソコンOSの確認●
今更確認することもないかもしれませんが、念のため確認しておきましょう。
「スタート」→「マイコンピュータ」→左枠内「システム情報を表示する」へ進みます。
このパソコンのOSは、出荷当時はWindowsXP(SP1)サービスパック1でしたが、諸般の事情で
SP2へアップグレードしています(無料)。
Panasonic Let's note CF-T1 仕様書
●ハードディスクの決定●
以上、ハードディスク、BIOS、OSのそれぞれの仕様が確認できました。最後に、実際にこの日立のハードディスクが
パナソニックのCF-T1で使用出来るのかを最初に説明した容量の制限の表で確認し、最終的な判断をしたいと思います。
ハードディスクは、120GBで48itLBAでした。BIOSについては拡張INT13 28bitLBAでした。このBIOSで136GBまでのHDはとりあえず
使えることが分かります。OSは、WindowsXP(SP2)ですので、48bitLBAに対応しています。したがって、最も条件が悪いBIOS
(拡張INT13 28bitLBA)がこのパソコンの限界ということになり、このパソコンでは、
138GBまでのハードディスクがとりあえず使用できそうだということが分かりました。
以上、ハードディスク、パソコン、OSのそれぞれの条件で、日立の120GBのハードディスクが問題なく使用出来るものと判断したので、
日立HTS541212H9AT00を換装用ハードディスクとして、ここでは使用したいと思います。
注意
※仕様等の条件がたとえ一致していて使用が可能だと思われるものでも、パソコンとハードディスクの製品としての相性
の良し悪しで、場合によっては使えないものもあるようです。販売店によっては、相性による返品等を保障してくれるところも
ありますので、不安な方は、保障制度の整ったお店を利用されることをお勧めいたします。
※容量制限を解除する場合は、たとえ、条件を合わせても使えない場合が考えられます。様々な資料を精査したうえで、各自で判断し、
作業していただくようお願いします。
※換装後にWindows等OSソフトをHD内にインストールする必要があります。このPanasonic CF-T1は、HD内のリカバリー領域内に
リカバリー用のWindowsソフトが収納されており、CD-ROM等が元から付属していません。したがいまして、新しいHDに旧HDにある
OSを利用してインストールする場合、特殊なソフト等が必要となります。新しくWindowsソフトを購入し、インストールされる場合は、
この限りではありません。
パナソニックのパソコンに限らず、同様の環境にある、他社のパソコンで換装を行われる場合、作業を進められる前に、必ず、
リカバリ用CD-ROMがあるかどうか、なければ、内蔵ソフトの移し替えができるかどうかを、確認してたうえで作業をお進めください。
Let's note リカバリについて(Let's note テンプレ wiki)
Hitachi インストールガイド(英語版)
Panasonic Let's noteで CF-T1以外の機種でのHD換装方法 (他サイト)
R1/R2/R3/R4/R5のHD換装はこちらへ(Let's note 「CF-R1」で遊ぼう)
T2/T4/T5のHD換装はこちらへ(Let's note 「CF-T1」で遊ぼう)
W2のHD換装はこちらへ(CF-W2B ハードディスク 無線LAN換装)
W4/W5のHD換装はこちらへ(CF-W4 HDD換装記録)
Y2のHD換装はこちらへ(Let's note Y2 80GB HDD 換装(1))
@分解
Aハードディスク コネクターの加工と本体への取付け
Bキーボード 付属のCPU排熱板の付替えと本体への取付け
C組立
※作業の都合上、作業の順番が前後することがございます。
●●ハードディスクの加工●●
T1に限らず、PanasonicのLet's note は、省電力化に工夫が施されており、その一つがハードディスクの省電力化です。
T1に工場出荷当時に搭載されているハードディスク(Toshiba MK4020GLS)は、電源としてロジック系に3.3V、モーター駆動系
に5.0V(それぞれ独立)を使用しています。一方、一般的に幅広く流通しているハードディスクの電源は、ロジック系・
モーター駆動系のいずれも5.0Vを使用(共用)しています。このように、T1のハードディスクは、T1の規格に合わせて製造
された特殊な製品なのです。したがって、一般に流通しているハードディスクをT1で使用するには、加工が必要となります。
具体的には、ロジック系(41 Pin)3.3Vのパソコン本体からの電源供給を遮断(切断)することで、ハードディスク内部の
回路で接続された駆動系(42 Pin)から必要な電圧が供給されるようにします。
その他に、一般のハードディスクでほとんど使用されていない予備のピン(44 Pin)は、T1のハードディスクではもとから
省かれています。このピンがある一般のハードディスクでは、T1の本体につなげるコネクターに接続できませんので、
これも切断します。
●Hitachi HTS541212H9AT00 コネクタピンと解析図
5V Power
There are two input pins for the +5 V power supply.
One is the "+5 V Logic" input pin and the second is the "+5 V Moter"
input pin. These two input pins are tied together within the drive.
5V 電源
5Vの電源供給のためにピンが2つあります。1つは+5V ロジック 入力ピンで、2つ目は+5V モータ 入力ピンです。
この2つのピンはドライブ内でつながっています。(和訳)
以上、日本語訳以外すべてHitachi 5k12の説明書から引用
HTS541212H9AT00 説明書(Hard Disk Drive Specification: 英文)
(39頁 配列、40頁 機能、42頁 電源共用)
ハードディスクドライブ内での電圧の仕組み
東芝 端子・解析図
以上、コネクタ、ピン配置表は東芝仕様書からすべて引用。
TOSHIBA STORAGE DEVICE DIVISION MK4020GLS (仕様書)
●ハードディスク接続用コネクタ
44 Pin(左上) が差し込めないように穴が閉じてあります。
●●キーボード排熱板の付け替え●●
軽量化についても、同様に工夫が施されており、CPUの温度を下げるためのモーターを使用しないファンレスもその一つです。
そのため、排熱には放熱面積、開放構造で最も効果があると考えられるキーボード背面に熱伝導率の高い銅板が設置されています。
交換用の新しいキーボードには、この排熱用の銅版が付属していないため、既存のものを取り外し、活用します。
+・− ドライバー
精密ドライバーがあればなおよし
分解・組立等に使用します
カッターナイフ
キーボード裏面の放熱板の取り外しに使用します。
ドライヤー
キーボード裏面の放熱板の取り外しに使用します。
ラジオペンチ
ハードディスクの加工に使用します。
パソコンを準備します。
分解の障害となるものを取り除きます
バッテリを取り外します
参考
7.4 Vリチウムイオン・4.4 Ah
駆動時間 約5時間
充電時間 約3時間(電源OFF時)、約3時間(電源ON時)
メモリが増設されているかを確認します。今後の作業で、物理的、電気的に不具合が起こる可能性がありますので確認して、あれば取り外しておきます。
ねじをドライバで外します。
電気の供給を完全に遮断します。なお、ここの写真にはありませんが、ACアダプターも必ず取り外してください。
メモリ発見
あっ!メモリに触れる前に、他の金属などに触れ体内の静電気を逃がしておきます。
両側から押さえてメモリを留めてあるプラスチックの留め具を、爪先等でゆっくり広げます。メモリの端に広げた留め具を引っ掛けるようなつもりで。
このとき、力は弱めに行う。プラスチックが折れる可能性があります
もう一方の留め具も同様に広げて、メモリの端に引っ掛けます
両側がはずれると、メモリが斜めに浮き上がります
浮き上がったメモリを、そのまま素直に斜めに、手前の方向にゆっくりと引き抜いていきます
引き抜き完了
メモリ
参考
標準256 MB SDRAM (ビルトイン)
(最大512 MB・PC133 :増設用)
メモリースロット(増設分)
144ピンマイクロDIMM専用スロット×1(PC133)
取付製品 KINGSTON KSY-C1MV/256 (256MB)
取り外した メモリ、ケースふた、ねじ
メモリの接合部分に手で直接触れないように。ねじは複数種類ありますので
よく特徴を覚えておくこと
これまで取り外したもの。この後の作業で傷つけたりしないよう、別の場所に保管しておくこと。
取り外してかなりすっきりした裏面。
左脇(裏から見た場合)のカバーを外します。
取り外したあとの様子ですが、くぼみ等をよく観察しておいて、ドライバー等の先端をかける箇所などを把握しておくこと
真上から見た様子
ケースの形状やくぼみもよく観察しておくこと。
どうやら、上と下の2箇所のくぼみでふたが固定されているようである。下のくぼみを支点に扇状に左外に開きながら外すのが一番自然な開け方である。
支点の頂点に両面テープを発見
これが張ってあるために、なかなか外れません。しかも、プラスチックのふたが折れそうなので、慎重に行う必要があります。
下の部分もケースと枠の形状をよく覚えておき、開ける方向などに注意する
両面テープでしっかり留められていたたのが原因でふたが割れてしまいました。
開けた中身は無線LANのアンテナでした
参考
アンテナ基板L DL3U21240DAA
アンテナ基板R DL3U11240DAA
次は、右下(裏側から見た)のふたを開けます
最初に行った左のふたと構造はほぼ変わらないので、同じ要領で開ける。
もう一息
表からも、ドライバー等でこじ開けます
先端の細い精密ドライバーの登場です
もう一息
開きました
横から見たケースとふたは、こんな感じ
LAN 100BASE-TX / 10BASE-T
SDメモリーカード/マルチメディアカード×1スロット
モデム 56 kbps(V.90 / k56flex自動対応)
FAX:14.4 kbps/ボイス非対応
ふたの形状でどこにドライバーを差し込んでこじるかを確認しておきましょう
こちら側には両面テープが張ってありませんでした
つくりは左右ほとんど変わらないのが写真で確認できます
次に、右上(裏面)の小さなふたを取り外します。
ドライバでねじを緩めます
こちらも無線LANのアンテナの一部です
メモリのふたと一緒に保管しておくのもよいでしょう
それぞれで、ねじの大きさが違うようです
裏面のねじを外します。
黄色い部分がキーボードを固定しているねじ
赤色の部分がトップケース(パームレスト)を固定しているねじ
ねじを順番にはずしていきます。
こちらのねじも外します。
裏面のねじは3種類。どこの部分のねじかをよく覚えておきましょう。
裏面の、必要なねじをはずしたら、パソコンを表に反します。
キーボードの上、左の先端を指で引き起こします。
手前にキーボードを引き起こします。
前から見た写真
キーボードと本体を結ぶケーブルが接続されていますので、引き抜こうとはせず、ゆっくり裏返していきます。
トップケースの上に置きます。(ケーブルは接続の状態)
キーボード裏の銅板にはグリスがついていますので、それに触れないように気をつけます。また、ふき取ったりしないこと。新しいキーボードにそのまま、このグリスを使用します。
本体とキーボードを結ぶケーブルが確認できます。
接続部分の拡大写真
ケーブルの留め具を、先端が細い精密ドライバー等で起こして解除します。
反対側も同様に行います。
大変折れやすい弱い造りとなっています。二本とも折ってしまいました。仕方ありません・・・
ケーブルを外したキーボード
キーボードを外した本体
本体、左上にスピーカーケーブルがありますが、ハードディスクを取り外す場合は、トップケースを外しますので、トップケースに取り付けてあるスピーカーのコードを外す必要があります。
スピーカーのコードを外します。
参考
PCM音源(16ビットステレオ)、モノラルスピーカー
次に、トップケースを外していきます。
黄色い部分のねじをすべて外します。
順番にねじを外していきます。
角のねじも忘れずに外します。両面テープも外します。
キーボード下のねじが黒。下の両角のねじが銀。
ねじの色をよく覚えておきましょう
手前からゆっくり持ち上げます。ホイールパッドのケーブルが裏面に接続されているので、強く引っ張ったりしないこと。
内部が見えてきました。
引き起こしたまま、ホイールパッドのケーブルを取り外していきます。
再び留め具・・・くれぐれも、勢い余って折らないように気をつけてください。
外したトップケース
ハードディスク
Toshiba MK4020GLS
PCカードスロット
PCカード(TYPE II )×1スロット CardBus対応
液晶の画面の開け閉めのジョイント部分
AC電源の取り込み口
電源 AC100 V〜240 V(50 Hz/60 Hz)
最大約40W 、S区分 0.00036
CPU
超低電圧★版モバイル インテル(R) Pentium(R) III プロセッサ 866 MHz -M (Intel SpeedStep(R) テクノロジ搭載)(システムバスクロック:133MHz)・512 KB
Intel(R) 830 MG Chipset
ハードディスクを取り外していきます
念のため、他の金属等に手を当て、体内にある静電気を逃がしておきます。
白と黒のコネクター接合部分の隙間に先の細い精密ドライバーのマイナス等を当て、ゆっくり隙間を広げていきます。上、下、中のように、ゆっくり広げていきます。
なお、この留め具は分離せずに、ある程度の位置で止まります。
広げ終わったら、ケーブルをゆっくり引き抜きます。
ケーブルを引き抜く
ハードディスクを取り出します
ハードディスクを覆った保護材やテープをはがします。
換装用の新しいハードディスクに再び装着して利用しますので、丁寧に、きれいにはがして、保存しておきます。
ただし、3方に貼り付けてある緩衝材(スポンジ)は剥がして問題ありませんが、新しいハードディスクに貼るときに
、もと貼ってあった位置が分かるように、念のため貼ったままにしておきます。
保護材を取り除いた、ハードディスクと保護材
裏から見たハードディスク
ハードディスク側のコネクターを外します
先端の細い精密ドライバ等で、コネクタとハードディスク本体のわずかな隙間に差し込み、ゆっくり隙間を広げていきます。上、下、中と場所を変えながらドライバーで隙間を広げていきます。
十分に広げたら、手でコネクタを持ち、引き抜きます。ちょっと固めでしょうか!?
コネクタを取り外したハードディスクと、コネクタ・ケーブル
ハードディスクをはずして、すっきりした本体。
左下に見える白いカバーの下には無線LAN本体があります。
Wireless Embedded Card Model 0504(IEEE802.11b)
これで、分解は完了です。
もう一度、取り付けてあったハードディスクの仕様等を確認しておきます。
Toshiba MK4020GLS (2.5inchi 40GB DC+5V 0.7A & 3.3V 0.5A 4,200RPM パラレルATA 東芝)
換装用の新しいハードディスクを準備します。
他の金属部などに手を触れて、体内の静電気を逃がしておくこと。
ハードディスクの仕様をもう一度確認しておきます。
Hitachi Global Storage Technologies HTS541212H9AT00
(2.5inchi 120GB 9.5mm 日立グローバルストレージテクノロジーズ)
新旧ハードディスクを並べて比較
日立 裏面
東芝 裏面
次に、コネクタピンを折る作業に入りますが、折り間違えるとハードディスクが使用できなくなりますので、
もう一度、折るピンの位置を、図を見ながら確認しておきます。
日立 端子・解析図
東芝 端子・解析図
ハードディスク接続用コネクタ
44 Pin(左上) が差し込めないように穴が閉じてあります。
44 Pin(予備ピン)と
41 Pin (Logic系 5V電源ピン= Pana 3.3V)を切断します。
ラジオペンチなど先端の細いものでピンの根元からつまみ、何度か左右前後に軽く倒し、折る。
隣のピンを傷つけたり、折ったりしないよう気をつけること。
無事2本のピンを切断したら、ハードディスクにコネクタ・ケーブルを接続する。
しっかり差し込むこと(裏から見たハードディスク)
旧ハードディスクの緩衝用スポンジ等を新しいハードディスクに付け替えます。
ハードディスクを本体の枠に収めます。
ハードディスクのケーブルを本体のコネクタに差し込みます。
留め具でしっかりと固定します。
これで、ハードディスクの取り付けは完了です。
トップカバーをねじで留めていきます。
スピーカーケーブルを本体に接続します。
トップケースの取り付けが完了しました。
キーボードを準備します
Panasonic N2AZZJ000021(CF-T2AC1AXS用??)
OADG準拠キーボード(87キー):キーピッチ19mm
袋から取り出します。
新キーボード裏面
交換用のキーボードにはCPU放熱用の銅板が付属していません。
旧キーボードと比較してみます。
放熱用の銅板の取り付けてある位置などを観察し、よく覚えておく。
銅板が、キーボードに両面テープで頑丈に固定されています。
ドライヤー等を使用して、テープを剥がし易くします(気休め程度です)
先に指摘したように、銅板に塗られたグリスは新しいキーボードにそのまま用いますので、ふき取ったり、手や指に付着させて、なくならないように注意してください。
温めておいた粘着部分がさめないうちにカッターナイフ等で、銅板とキーボードの隙間に差し込み、ゆっくりと隙間を広げていきます。周囲を回るようにはがしていくとよいかもしれません。
無理やりに銅板をはがそうとすると、銅板自体が曲がったりして、交換用のキーボードに装着したとき、銅板とキーボードの間に隙間ができ、十分な放熱効果得られなくなりますので、注意が必要です。また、旧キーボード本体をいためることになります。
もし、旧キーボードを故障時の予備や、部品取りに考えているのであれば、できるだけ、銅板を無理やり取らないようにし、キーボードも大切に扱いましょう。
銅板を取り外した旧キーボード。カッターの傷跡で、いかに頑丈に両面テープで固定されていたかがわかる。
銅板が取れたら、新しいキーボードに貼り付けます。銅板にもついていた両面テープが強力なため、そのまま、はがさずに新しいキーボードに銅板に貼り付けます。
銅板にそりや、ゆがみがないか事前に確認しておきます。必要に応じて、かなづち等でまっすぐ延ばしてあげます。
このとき、銅板を金づちで強くたたくと、銅板は非常にやわらかいので、厚みが薄くなったり、折れたりして、放熱効果がなくなりますので、注意が必要です。
本体コネクターに、キーボードコードを差込みます。
留め具の固定よう爪が折れてしまっていますが、留め具だけでも、頑丈に固定されているため、そのまま壊れた留め具を使用して、ケーブルを接続しました。
キーボードコードを手前の窪みに納め、手前の引っ掛けにキーボードを掛け、キーボードを本体に収めます。
きれいにキーボードが収まったT1
キーボードとトップケースをねじで固定する。
横のケースを取り付ける
左のカバーも取り付ける
右のカバーも取り付ける
メモリーを取り付ける
バッテリを取り付ける
試しに、電源を入れてみます。
電源がちゃんと入りました。そして、Operating System not found とでました。まだWindowsをインストールしていないからです。
再び、電源を入れます。そして、すぐにF2を押し、BIOS設定画面を表示させます。
ハードディスク 120GB と無事に認識されているようです。
ハードディスクがコンピュータに認識されました。これで、ハードディスクの換装とキーボードの交換は完了しました。
リカバリー領域がないためにBIOS画面もちょと異なるようです。
なお、新しいHDへのOS(Windows)のインストールの方法については、準備でき次第掲載する予定です。ご期待願います。