自転車のタイヤ交換は、業者に依頼する場合、交換用のタイヤ代込みで3,000円以上の経費を
見込んでおかなくてはなりません。手ごろな価格のものなら6,000円前後で新品の自転車が買える昨今、
この金額は、決して安いものとはいえません。かといって、修理をあきらめ、これまで大切に使ってきた愛着のある
自転車を手放して、新しい自転車を買うわけにもいきません。できることなら、自分で修理
することで、修理にかかる経費をできるだけ抑えて、甦った愛着の自転車を末永く使いたいものです。
そこで、本サイトでは、わたしたち素人でもできる、自転車のタイヤの交換方法について説明いたします。
2007年10月15日(平成19年) 公開
ここに記載してある内容については、あくまでも本サイト管理者個人で考案したものであり、メーカー等に
よる技術指導や指示を得たものではありません。
したがいまして、本サイトの掲載内容に従い、または、参考にし、作業されたこと等により、所有の製品
等に生じた不具合や故障等の損害のほか、作業や使用による身体への傷害等に対して、サイト管理者は一切
補償および賠償はいたしません。あくまでも、自己責任において作業を進めていただきますようお願いします。
なお、製品等に備えられた説明書、注意書き等があれば、それにしたがって作業を進めるようお願いします。
また、自分で修理、交換した場合、交換した部分はもとより、交換が原因となる他の故障についても、
メーカー保障の対象となりませんので、あらかじめご了承願います。
少しでも、不安のある方は、自分で修理等をされず、業者等へ依頼されることを強くお勧めいたします。
@16インチ変速機付 折りたたみ自転車
A後輪タイヤ 交換
※たとえ条件(環境)が異なっても、応用が可能と思われますので、参考にしていただければ幸いです。
※なお、これ以降に掲載されている写真は、jpeg形式で収録されています。拡大して、内容を確認されたい場合は、
マウスボタンを右クリックして、「名前をつけて画像を保存」して、閲覧ソフトでご覧ください。なお、一部の図や表は
クリックすると、ブラウザで別画面により詳細を確認できるようになっています。
@タイヤ取り外し
Aタイヤ取り付け
Bブレーキ調整
※作業の都合上、作業の順番が前後することがございます。
タイヤ
16インチ 1,260円〜
26インチ 1,260円〜
27インチ 1,260円〜
その他(全サイズ)
必ず、現在お使いの自転車のタイヤ(両)側面に刻まれている数字と同じ数字の
タイヤをご用意ください。
付属の工具セット(あれば)
最近では、自転車購入時に工具が付属していることも珍しくないようです。
これから行う作業で必要なのは@レンチ、Aプラスドライバーです。
もし、自転車に付属の工具がなければ、以下のような工具をご準備ください。
@レンチ
コンビネーションレンチ 630円〜
写真はコンビネーションレンチセット。開放型と円型のレンチのセット。
円状のものは、6角形のねじ山に均等に力が加わるため、
ネジを傷めにくいです。丸型、開放型、セット等種類は問いません。
ちなみに、ここで使用する自転車には15、10(単位:mm)を使います。
Aプラス(+)ドライバー
(+)ドライバー No.2(6mm) 11円〜
先端が大きめのもの(No.2、先端が約6mm)を準備します。軸の長さは10cm前後のものが作業がしやすいです。
ブレーキ関連のネジの開閉や調整に使用します。
タイヤレバー
タイヤレバー 99円〜
タイヤをホイールから取り外すのに使用します。プラスチックや金属製で2、3本がセットに
なって100円ショップなどで売られています。材質は賛否ありますが、金属のほうが劣化が遅く、
強度があります。あれば2本より3本の方が、タイヤが取り外しやすいです。
空気入れ
空気入れ 100円〜
チューブに空気を入れるために使用します。
空気入れは、電動、足踏式等さまざまで、どんなものでもかまいませんが、
水鉄砲のような形状で、手だけ使って入れるポンプは、タイヤに空気を入れる場合、男性でも、かなりの力が必要なのであまりお勧めできません。
手袋
変速ギアやチェーンに潤滑油が付着しています。この付近のネジを開閉したり、チェーン越しに作業を行ったりしますので、
手に油や汚れなどが付かないようにするために使用します。
なくても作業は可能です。
※汚れても差し支えない服装で作業
マジックまたはサインペン
何色でも構いませんが、ブレーキのワイヤーに印をつけるために使用します。
なくても作業はできます。
自転車を横に倒します。
そして、タイヤ空気取り入れ口につけてある金具等をすべて外します。
取り外した金具等
タイヤレバーをホイールとタイヤの隙間に2本差し込みます。
差し込む間隔は、親指と人差し指を広げた位にします。レバーの片側は
スポークに掛けますので、レバーを起こしたときにスポークに掛けられる向きで
差し込むようにしてください。
レバーを起こします。
うち、1本のレバーの端をスポークに掛けます。
もう1本のレバーを徐々に右に移動し、タイヤとホイールの隙間を広げていきます。
レバーが右に移動しない場合は、3本目のレバーをタイヤとホイールの間に差し込んで
同様のことを試してみます。この時、3本目のレバーも2本目との間隔を親指、人差し指を広げた
幅で差し込みます。
1本目のレバーをスポークに固定したまま、タイヤを回転させながら、2本目のレバーを右にずらしながら、隙間を広げていきます。
1周まわり、タイヤの片面がホイールから外れました。
チューブをタイヤから出します。
空気の取り入れ口は、金具を穴の中に押し込むようにすれば外れます。
チューブをすべて取り外しました。
自転車を裏返しにして、ハンドルとサドル(座席)でバランスよく立てます
15(mm)のレンチを準備します。
車軸を固定してある左右のネジを外します。
どちらからでも構いませんが、ここでは、変速ギアがある方から外すことにします。
ギヤ側のネジは全部取らなくても作業を進めることができます。
ねじ山を半分のところで止めておきます。
もちろん、完全に取り外しても構いません。
次に、スタンド側の車軸のネジを外します。
このネジは、完全に取り外します。
ネジを外すと、スタンドも一緒に外れます。
この次に、ブレーキ装置をはずしますが、その前に、組み立てた
時にブレーキの調整が最小限に済むように、ブレーキワイヤーの
調整位置が分かるように、サインペン等で印を付けておきます。
できる限りネジの付根辺りに印を付けます。逆側から印を
付けた方が分かりやすかったでしょうか...。
次に、ブレーキ装置を本体から外します。
プラスのドライバーを使います。
上下に並ぶネジのうち、下のネジを1、2周位わずかに緩めます。
次に、上のネジを外します。
上のネジは、完全に取り外します。
次に、ワイヤーを固定してあるネジを取り外します。
10(mm)のレンチを使います。
ネジのうちビスの方はワイヤーに通してあり、ワイヤーの先端が綻ばないようにリベット等で止めてあるため外れません。
車体から外れた黒いブレーキ装置(車軸に付属)を上に回転させておきます。
ホイールからタイヤを外します。
この時、タイヤを車軸の右側から取り外しますので、タイヤは、ホイールの右側に外すようにします。
タイヤが、ホイールから外れました。
タイヤの軸を車体(車軸受け)からずらし、ホイールを宙に持ち上げます。
すると、車体とホイールの間に隙間ができますので、そこからタイヤを取り出します。
タイヤの取り外しが完了しました。
これまでの作業をほぼ逆回しに、タイヤを取り付けていきます。
換え用のタイヤを準備します。
タイヤをホイールに差し込みます。
車軸を、車体の軸受けへ差し込んでおきます。
チューブをタイヤの中に入れなくてはいけませんので、タイヤの片側だけをホイールに入れます。
空気取り入れ口と、ホイールの穴を合わせて、チューブをタイヤに沿って並べておきます。
空気取り入れ口を、ホイールの穴に通して、チューブをタイヤの中に押し込んでいきます。
チューブをタイヤ内に全部差し込んだら、空気口に必要な金具を取り付けます。
仮止めにします。この後、チューブに空気を入れますので、上のネジだけはしっかり締めておきます。
空気を入れます。
チューブのねじれを取るために空気を入れますので、チューブが少し膨らむ程度で結構です。
タイヤの隙間から、チューブがねじれたりしていないかを、1周回して、満遍なく調べておきます。
ねじれがなければ、空気を抜いておきます。金具はそのまま取り付けておきます。
タイヤをホイールにすべて差し込みます。
ホイールへのタイヤ取付が終わりました。
ワイヤーをブレーキ装置に取り付けます。
ワイヤー付けておいた印を元に、固定する位置を決めます。
10mmのレンチでワイヤー固定用のネジを締めます。
このネジは、きつく本締めをしておきます。すべての取付作業が
終わった段階で、ブレーキの利き具合の調整を行いますが、その時も
このネジが完全に固定されていないとブレーキの調整がうまくできないからです。
次に、ブレーキ装置を車体に固定します。
ネジは、上下とも走行中に緩まないように固めに締めておきます。
裏に、ナットが引っかかるように金属板に凸凹が施されていますが、
ここの場所にナットが来るまでナットが空回りしてうまく締まらない場合
があります。その時は、ナットにペンチや対応した工具を当てるなどして
ネジを締付けてください。ここのネジは8mmです。
次に、スタンド側の車軸のナットを、スタンドとともに締めます。
この後に車軸のずれを調整しますので、緩めに仮止めにしておいてください。
ギヤ側の車軸にもナットを取り付けます。
ここも、緩めに仮止めにします。
前輪、車体、後輪が一直線になるように全体をまっすぐにします。
車軸は水平に、車軸と車体の中心線は垂直に交わように調整します。
さらに、チェーンがたるまないように手前に引っ張りながら調整しなければなりません。
位置が確定したら、ナットを本締めしていきます。
走行中に緩まないようにしっかり締めておきます。
もう一方のナットもしっかりと締めしていきます。
締めた後、念のためもう一度、車軸が水平か、車軸とタイヤ、
車体の中心線が垂直に交わっているかを確認しておいてください。
タイヤに空気を入れます。
空気圧は、タイヤを親指で押したときに、わずかにへこむ程度にします。
それだけでは心配という方や、正確な空気圧の数値が知りたいという方はこちら
自転車探検!様サイト内
空気口にキャップをして、走行中に緩まないように各金具をしっかり締付けておきます。
手で閉めても差し支えありません。但し、上下2つの金具のうち、上の方は、
強めに締めておいてください。上のネジが走行中に緩むと空気が抜ける可能性があります。
自転車を起こします
これで、組立作業は完了です。
後輪のブレーキレバーをつまんでブレーキをかけます。
乗車しなくても確認できます。
ブレーキレバーをつまんでない位置から、つまんでブレーキが効いた位置が、1/2〜1/3位
になるのが理想的です。
調整は、以下の2つの方法で行います。
わずかな調整が必要な場合は、ブレーキ装置のうち、バネの直前
にあるネジを左右に回すことで調整します。ネジを左に巻くとブレーキ
が強くなります。
右に回す場合は、金具側にあるナットを緩めないと動きません。
また、調整後は、このナットを金属板へ固定するように締めておかないと
ブレーキが緩む可能性があります。
大幅な調整をしなくてはいけない場合は、ネジを緩めてワイヤーの引き加減で調整します。
ブレーキの効きが悪いときは、バネが縮むようにワイヤーを引いて調整します。
なお、タイヤ交換作業後に、変速ギアの音が気になるようになったり、
変速がスムーズにできなくなるなどの症状が出る場合、
変速機の調整が必要となります。
変速機の調整方法については、現段階では、準備しておりません。
以下、分かりやすいサイトをご紹介させていただきます。
Be.BIKE 変速機を調整する
以上ですべての作業が完了しました。